この写真のデータは、今年の歯科医師国家試験の合格率(大学別)を表したものです。報道などでご存知の方も多いと思いますが、近年、歯科医師の数が全国的に非常に増加しているのを国も非常に危惧し、合格者の数を抑えることで、歯科医師の人数を段階的に減少させる政策をとっています。すなわち、私の頃(結構昔)は合格点が決まっていたんですよね。なので、合格する人数はかなり多かったです。しかし今は点数が上から何人と合格者を決めてしまっています。ここ最近はきれいに上から2000人だけしか合格させない政策をとっています。これが良いことなのかそうではないことかは、後の世の評価を待つとして、とにかく今は歯科医師になるのが私の頃とは比べ物にならない位高いハードルになっています。国家試験に合格するためにはかなりレベルの高い知識と技術が必要になります。そして、国家試験の合格率を上げることが大学の一番の評価につながります。各大学はその生き残りをかけ、国家試験の合格率を上げるために必死です。志願者数と、実際に試験を受けた受験者数に乖離あるのはお分かりでしょうか？、つまり、受験したくても卒業試験に合格できないので受験ができない学生さんが非常に多いわけです。これは本当に由々しき問題だと思います。国家試験を受験したい人が受験できて、歯科医師になりたいと高い志を持って歯学部に入った学生さんが研鑽を積んで優れた歯科医師になり、その高い技術と豊かな知識をあまねく国民の皆様に提供できる世の中になればいいなと心から思っています。